「プロポリスは糖尿病の予防、改善に効果がある!」
プロポリスは、糖尿病の予防、改善に効果があります。ここでは、プロポリスの糖尿病の予防、改善の効果や効果がある成分について説明します。
糖尿病とは?
糖尿病とは、体内のインスリンが不足したり、上手く働かなくなったりして血糖値(血液中のブドウ糖の量)が高くなる病気です。インスリンは、体内で唯一血糖値を下げる働きがあるホルモンです。
血糖値が高い状態が続くと、動脈硬化になったり、さまざまな合併症を引き起こしやすくなったりしります。
重症になると失明や腎不全、手足の壊疽(えそ:身体の組織の細胞が死んで腐敗した状態、悪化すると切断したり死に至ったりする)を起こす場合があります。
糖尿病には脾臓の細胞が破壊されて、インスリンが全くつくられなくなる1型糖尿病と、なんらかの原因でインスリンの働きが悪くなった2型糖尿病があり、日本人の9割が2型糖尿病です。
糖尿病の原因
1型糖尿病は、免疫の異常によって起こると考えられていますが、原因はわかっていません。2型は、なりやすい体質の人が肥満やストレス、運動不足が引き金になって起こります。
糖尿病になるとどうなるのか?
糖尿病は、インスリンの働きが大きく関係していて、糖尿病を発症する前の段階から、徐々に「インスリン抵抗性」(インスリンの働きに対する抵抗性で、高くなるほどインスリンの効き目が悪くなります)が高くなります。その後、糖尿病になると、次のようなことが起こります。
・白血球の機能低下により細菌に感染しやすくなる
・血流が悪くなる
・免疫力が低下する
・神経障害が起こって痛みなどが感じにくくなる
プロポリスには、
・糖尿病を発症する前のインスリン抵抗性を抑える効果
・糖尿病の引き金となる肥満やストレスを予防、改善する効果
があります。
また、糖尿病になると起こる
・細菌に感染しやすくなる
・血流が悪くなる
・免疫力が低下する
などの症状の改善に効果がある成分を多く含んでいます。
プロポリスの糖尿病に対する効果と効果がある成分
抗菌、殺菌効果
糖尿病になると、免疫力が下がったり、白血球の機能が低下したりするため、細菌に感染しやすくなります。プロポリスには、高い抗菌、殺菌効果があります。
その中でも桂皮酸誘導体(ケイひさんゆうどうたい)の、アルテピリンC、バッカリン、P‐クマル酸には特に、高い抗菌、殺菌効果があります。
〇プロポリスに含まれている抗菌、殺菌作用がある成分
成分の種類 | 成分名 |
---|---|
桂皮酸誘導体 |
・バッカリン ・アルテピリンC ・P‐クマル酸 |
フラボノイド |
・フラバノン ・アルテピリンC ・P‐クマル酸 |
その他の有用成分 |
・スコポレチン ・クマリン ・イソフェルラ酸(ヘスペリチン酸ナトリウム) ・有機酸類 |
血行促進
高血糖が長く続くと、動脈硬化を引き起こし、血液の流れが悪くなります。特に、動脈から続く身体の末端の細い血管(毛細血管)の血流が悪くなって、足先や足裏の感覚が麻痺したり、脳卒中や脳梗塞を引き起こしたりする場合があります。
プロポリスには、血管を広げたり血管を強くしたりして血流をよくする働きがある成分が多く含まれています。
〇プロポリスに含まれている血流をよくする成分
成分の種類 | 成分名 | 効果 |
---|---|---|
フラボノイド | ヘスペリジン | 毛細血管を強くして血行をよくする |
ルチン | 毛細血管の弾力を保って血流をよくする | |
ケルセチン | 毛細血管の壁をち密にして血行をよくする | |
芳香成分 | クマリン | 香り成分 血液を固まりにくくして血液の流れをよくする |
必須アミノ酸 | アルギニン | 血管を拡張する働きがある一酸化窒素をつくる |
有機酸類 | リノレン酸 | 体内で血液をさらさらにする作用があるDHAやEPAに変換されて血流をよくする |
芳香成分 | テルペン | リラックス効果が高い香り 血圧を下げ、血流量を増やす |
その他 | ナイアシン | 毛細血管を広げて血行をよくする |
ビタミンE | 血管の老化を防いで血行をよくする | |
スコポレチン | 血管拡張作用がある |
免疫力向上
好中球(こうちゅうきゅう)は白血球の一種で、炎症が起こった場所へすばやく集まり病原菌を排除する働きがありますが、高血糖が続くとこの働きが低下し、免疫力が低下してしまいます。プロポリスには、免疫力を高める効果がある成分が含まれています。
〇プロポリスに含まれている免疫力を高める成分
成分名 | 効果 |
---|---|
フラボン(フラボノイド) | 免疫力を向上させる効果がある |
アルギニン | 免疫細胞のマクロファージの働きを活発にするので、免疫力を高める |
パントテン酸 | ウイルスや細菌に抵抗する働きがある免疫抗体の合成を促進する |
ビタミンD | 免疫機能を調節して免疫力を高める |
亜鉛 | 免疫細胞を活発にする働きがあるので、不足すると免疫力が低下する |
肥満予防
肥満になると、インスリンの働きを助ける物質の数が減り、さらにインスリンの働きを弱める物質が増えるので、血糖を処理する働き(耐糖能)が悪くなります。肥満を放置すると、血糖値が高い状態が続きやすくなり糖尿病になる場合があります。
プロポリスには、肥満を予防、改善する効果がある成分が含まれています。
〇肥満を予防する働きがある成分
・血行を促進する効果がある成分
肥満は、血行をよくすると改善するので、血行促進効果のある成分は肥満防止にも効果があります。
・新陳代謝をよくする成分
成分の種類 | 成分名 |
---|---|
ビタミン | ビタミンB2 |
ナイアシン | |
パントテン酸 | |
ミネラル | 亜鉛 |
その他 | αリノレン酸 |
上記の栄養素の働きで新陳代謝がよくなると、摂取した栄養素の代謝がスムーズに進み、太りにくくなります。
ストレスの予防、緩和
ストレスが強くかかると、血糖値を上げる働きがあるグルカゴンやアドレナリン、甲状腺ホルモン、コルチゾールなどの物質が増え、糖尿病になるリスクが高くなります。プロポリスには、ストレスを予防、緩和する成分が含まれています。
〇プロポリスに含まれているストレスを予防緩和する成分
・フラボノイド
フラボノイドは、自律神経の乱れを整える働きがあります。
自律神経は、身体の器官の調子を整える神経で、身体が動いている時に働く交感神経と、休んでいる時に働く副交感神経の2つの種類があります。
この2つの神経は、バランスよく働くことが大切で、自律神経の働きが乱れると、交感神経が優位の状態が続いて緊張が解けなくなったり、副交感神経が優位の状態が続いて心拍数や血圧が下がったりして、体調が悪くなり、ストレスを引き起こします。
・パントテン酸
パントテン酸(ビタミンB5)は、ストレスをやわらげる働きがある副腎皮質ホルモンの生成を促進してストレスを予防、緩和します。
・ナイアシン
睡眠の質をよくして睡眠不足によるストレスを緩和する働きがあります。
・カルシウム、マグネシウム
ミネラルのカルシウムとマグネシウムは、イライラを防いで精神を安定させ、ストレスを予防、緩和する働きがあります。
また、マグネシウムには、筋肉の緊張をやわらげて身体をリラックスさせ、ストレスを予防、緩和する働きもあります。
・テルペン
植物の精油成分に含まれているテルペンは、香りに高いリラックス効果があります。
テルペンは、スギの香りにも含まれていて、スギの香りをかぐと血圧が下がったり、血流量が上がったりすることが実験で判明しています。
その他の糖尿病に効果がある成分
〇ビタミンB1ビタミンB1は、糖の代謝(栄養素が体内でエネルギーに変換されたり、蓄積されたりする働き)を助ける働きがあります。
糖が、代謝されないと血液中に糖が残り血糖値が上がります。
また、糖尿病になると、ビタミンB1は尿と一緒に体外に排出されやすくなるので不足しやすいです。
そのため血管の細胞にダメージが与えられたリ、動脈硬化や炎症が起きやすくなったりします。
さらに、ビタミンB1は、交感神経の働きを抑制する効果もあるので、緊張を防いでストレスを緩和する働きもあります。
〇ビタミンB2
ビタミンB2は、脂質の代謝を促す働きがあります。
脂質の代謝が悪くなると、脂肪が蓄積してインスリンの働きが悪くなったり、肥満の原因になったりします。
〇ビタミンB6
ビタミンB6は、インスリンの分泌を活発にするのに必要な物質です。
ビタミンB6が不足すると、インスリンの生成を抑えるキサンチンが発生してインスリンの量が減って糖尿病になる可能性が高くなります。
また、ビタミンB6には、免疫機能を正常にして免疫力を高めたり、コレステロールを低下させて動脈硬化を予防する働きもあります。
〇マグネシウム
マグネシウムは、インスリンがブドウ糖を体内に取り込む際に必要な物質なので、不足するとブドウ糖が残って血糖値が高いままの状態なり、糖尿病になるリスクが高くなります。
プロポリスの糖尿病に対する効果の実験
プロポリスのインスリン抵抗性に対する実験
糖尿病は、発症の前段階になると、インスリン抵抗値が上がります。みつばち健康科学研究所では、インスリン抵抗性があるマウスを3つのグループに分け、プロポリスを100mg/kg与えた場合、300mg/kg与えた場合、水のみのグループの場合のインスリン抵抗性の進行具合を調べる実験をしました。
この実験では、さらに比較対象として正常なモデルに水のみを与えた場合も加え、計4グループのインスリン抵抗性の進行度を調べました。
また、この他にも遺伝的にインスリン抵抗性が高いグループにプロポリスを与えた場合と与えなかった場合の、インスリン抵抗性の進行速度の違いを4週間の間調べる実験も行われました。
なお、与えたプロポリスの量は、上記の実験と同様に100mg/kgの場合と300mg/kgで行われました。
その結果、プロポリスを与えたグループのインスリン抵抗性の進行速度は与えなかったグループより遅くなったことが判明しました。
特に、300mg/kg与えられたグループは、インスリン抵抗性の速度が正常なグループが10週間経過した時の数値と同じくらいに強く抑えられていることが判明しました。
これらの結果により、プロポリスにはインスリン抵抗性が高くなることを予防する働きがあることが判明しました。
さらに、プロポリスには後天的な要因の糖尿病だけではなく、遺伝的な要因の糖尿病の予防にも効果があることも判明しました。
また、プロポリスの効果は摂取量が多い方が高いことも同時に判明しています。
肥満の予防の実験
おなじくミツバチ健康科学研究所では、プロポリスの肥満の予防に対する効果の実験も行われました。実験では、肥満モデルにブラジル産プロポリスを8週間与えた結果、体脂肪、脂質量が減少したことが判明しました。
特に、プロポリスの量を増やすと、腸間膜脂肪(腸を固定する膜に蓄積する脂肪)や腎臓回りの脂肪、内臓に蓄積する全ての白色脂肪の量が明らかに減少したことが確認されました。
2型糖尿病腎症の進行を遅らせる効果の研究
京都府立医科大学大学院の丸中良典教授が山田養蜂場の研究助成制度を受けて、ブラジル産プロポリスに2型糖尿病患者のインスリン抵抗性が高くなることを防止する効果や、合併症のひとつの腎盂全の進行を遅らせる効果があるのかについて臨床研究を行いました。臨床研究は、35歳から80歳までの2型糖尿病患者80名を二つに分けて行われました。
臨床研究は8週間の間行われ、運動療法や食事療法を行いつつ、片方のグループには、ブラジル産プロポリスが3粒(226.8ミリグラム)与えられ、もう片方にはフラゼボ(偽の薬)が与えられました。
その結果、プロポリスを飲んだグループは、フラゼボを飲んだグループよりも腎臓の老廃物のろ過能力の減少(ろ過機能の低下)や機能低下による尿酸値の上昇が抑えられたことが確認されました。