「プロポリスの育毛、白髪改善効果」
プロポリスには、発毛、育毛を促したり、白髪を改善したりする効果があります。ここでは、プロポリスに含まれているどのような成分が、発毛、育毛を促し、白髪の改善に効果があるのかを説明します。
薄毛や抜け毛、白髪の原因
薄毛や抜け毛、白髪は次のことが原因で起こる場合があります。・紫外線による頭皮、髪へのダメージ
・加齢による毛髪の老化
・妊娠、出産
・ストレス
・睡眠不足
・血行不良
・栄養不足
・男性ホルモンが原因でおこる男性型脱毛症(AGA)
・遺伝
・新陳代謝が悪い
プロポリスには、薄毛や抜け毛、白髪を予防、改善する効果がある成分が含まれています。
プロポリスに含まれている育毛や白髪の改善に効果がある成分
フラボノイド
フラボノイドには育毛を促し、白髪を改善する次のような働きがあります。〇抗酸化作用
フラボノイドには、細胞を老化させる原因の活性酸素を除去する抗酸化作用があります。
活性酸素は、酵素の働きを助けたり、体内に侵入した細菌や異物を殺菌したりする働きがあります。
しかし、活性酸素が増えすぎると健康な細胞を攻撃してしまい、細胞を酸化させます。
細胞は、酸化すると細胞膜を作っているリン脂質が有害な物質である過酸化脂質に変化して、機能が低下してしまいます。
活性酸素が除去されると、細胞は酸化されずに正常な状態を保つので、健康な細胞が増えて細胞の働きが活発になり、新陳代謝がよくなります。
新陳代謝がよくなると、新しい細胞が生まれて成長するので発毛や育毛を促します。
また、細胞は老化すると白髪になるので、抗酸化作用によって老化が防止されると白髪が減ります。
〇血行改善
フラボノイドには、血管を拡張したり、毛細血管(動脈の末端の細い血管)を強くする働きがあるので、血行をよくします。
血行不良や栄養不良になると、毛根に栄養が十分に行き届かず髪の毛が細くなってしまい、ボリュームがなくなります。
〇ストレスの予防、改善
フラボノイドには、自律神経の乱れを整えてストレスを予防、改善する効果があります。
自律神経には、身体が動いている時に働く交感神経と、休んでいる時に働く副交感神経があります。
自律神経の働きが乱れると、交感神経の働きが優位な状態が続いて常に緊張した状態になり、心身がリラックスできずにストレスを感じます。
フィトンチッド
フィトンチッドは、ストレスを緩和し、心にやすらぎを与えるので、ストレスやストレスによる不眠を予防、改善する効果があります。アミノ酸
髪の毛の主成分の90%は、ケラチンとよばれるたんぱく質です。アミノ酸は、ケラチンの材料となります。
ビタミンB1
ビタミンB1は、交感神経の働きを抑えて緊張を解き、身体をリラックスさせる働きがあります。ビタミンB2
ビタミンB2は、髪の毛の材料となるたんぱく質の代謝(取り込んだ栄養素を利用したり、蓄積したりする働き)や細胞の再生を促すので、髪の毛や肌を健康に保って、白髪を予防、改善します。ナイアシン
ナイアシン(ビタミンB3)は、血行を良くする働きがあります。また、睡眠の質を高める効果があるので、睡眠不足を改善する働きもあります。
ビタミンE
ビタミンEは、毛細血管を強くして頭皮の血行をよくする働きがあります。カルシウム、マグネシウム
ミネラルのカルシウムとマグネシウムは、精神を落ち着かせてイライラを防ぐので、ストレスを緩和する働きがあります。また、マグネシウムは筋肉の緊張を緩め、身体をリラックスさせたり、入眠をスムーズにしたりする働きがあります。
亜鉛
ミネラルの亜鉛は、精神を安定させてストレスを改善します。また、細胞を分裂させたり再生させたりするので、育毛を促す効果があります。
リノレン酸(α‐リノレン酸)
脂肪酸のひとつのリノレン酸(特に注釈がない場合はαリノレン酸のことをさします)は、血行を促進する働きがあります。プロポリスの育毛を促す効果についての実験の結果
北海道大学大学院、農学研究院の小林謙准教授らによって「ブラジル産プロポリスが発毛、育毛を促進する可能性」についての実験が行われました。この実験では、育毛モデル(マウス)の背部を剃毛(ていもう:毛を剃ること)し、ブラジル産プロポリスを塗った個体とエタノール(アルコールの一種)を塗った個体の発毛の状態を調べました。
その結果、プロポリスを塗った個体は、エタノールを塗った個体より8日早く発毛が観察され、21日後には剃毛部を全て覆った個体が観察されました。
エタノールを塗った個体には、全てを覆った個体はほとんどおらず、半分以上を覆った個体の数もプロポリスを塗った個体の約半分でした。
また、脱毛処理したモデルの成長期(新しく生えてきた毛髪が伸びる時期)の初期に、プロポリスもしくはエタノールを塗布して細胞の成長の変化を観察する実験も行われました。
その結果、プロポリスを塗ったモデルの細胞の方が、早く毛髪へ変化することが判明しました。
さらに、細胞を培養した試験で、プロポリスが表皮ケラチノサイトを増やす働きがあることが確認されました。
表皮ケラチノサイトは角化細胞とも呼ばれ、表皮の最下層の基底層で生成され、やがて皮膚や髪の毛へと変化していく細胞です。
これらの実験の結果により、プロポリスは、毛髪の細胞が増える働きを活発にして、発毛、育毛効果を促す可能性があることが示されました。