「プロポリスとはちみつの違いについて」
プロポリスとはちみつはどちらもミツバチの産物ですが、全く違うものです。ここでは、プロポリスとはちみつの違いについて説明します。
プロポリスとは?
プロポリスとは、セイヨウミツバチが、新芽やつぼみから樹脂を採取して巣に持ち帰り、腹から分泌したロウ分や唾液、花粉からつくった物質で蜂ヤニとも呼ばれています。プロポリスは高い抗菌、殺菌効果があり、巣に細菌やウイルスが持ち込まれるのを防いだり、巣の中で細菌が繁殖するのを防いだりします。
また、粘着性や強度があるので、巣の弱いところに埋め込んで巣を補強するために使われます。
プロポリスはセイヨウミツバチのみがつくり、ニホンミツバチを含むトウヨウミツバチはつくりません。
はちみつとは?
ミツバチは、採取した花の蜜を胃の中の蜜嚢(みつのう)に貯めて巣穴に運び、巣穴の働き蜂に口移しで渡します。この過程で花の蜜は、ミツバチの体内の酵素によってブドウ糖や果糖に分解されます。
分解された花の蜜は、その後巣房と呼ばれる小さな部屋に貯蔵され、ミツバチが口で混ぜたり、羽ばたきで風を送ったりして、水分を飛ばします。
このようにして花の蜜の水分が20%になったものがはちみつです。
はちみつは、働き蜂やオス蜂の食糧として使用されます。
成分の違い
プロポリス
プロポリスには300種類以上の有効成分が含まれています。〇主成分
・桂皮酸誘導体(ケイひさんゆうどうたい:アルテピリンC、P-クマル酸、バッカリンなど)・・・抗菌、抗酸化、抗腫瘍効果がある
・クロロゲン酸・・・ポリフェノールの一種で脂肪を燃やす、抗酸化作用、糖尿病の予防の効果がある
・フラボノイド・・・ポリフェノールの一種で抗菌、殺菌、抗酸化作用がある
〇その他の成分
・ミネラル・・・マグネシウム、マンガン、カルシウム、鉄、銅、亜鉛
・ビタミン・・・ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンE、ナイアシン(ビタミンB3)葉酸
はちみつ
はちみつの主成分は糖分で、全体の約80%を占めています。その他の20%のほとんどが水分ですが、数%にさまざまな栄養素が含まれています。
〇主成分
・糖・・・グルコース、フルクトース、マルトース他
〇その他の成分
・ビタミン・・・ビタミンA、B1、B2、葉酸、ナイアシン、パントテン酸(ビタミンB5)、ビオチン(ビタミンB7)、ビタミンC、ビタミンK
・ミネラル・・・カルシウム、カリウム、鉄、銅、亜鉛、マグネシウム、ナトリウム、マンガン、リン、イオウ、ケイ素、塩素
・その他・・・アミノ酸、有機酸、酵素、ポリフェノールなど
色、味の違い
プロポリス
プロポリスの味は、樹脂や木の独特の苦み、辛み、刺激があります。プロポリスは、採取した樹脂によって色や成分が異なります。
〇原料や地域ごとの色や効果の違い
・ユーカリ・・・オーストラリアやブラジル産で茶色~茶褐色。強い殺菌、抗菌力がある
・ローズマリー、アレクリン・・・ブラジル産で緑がかった茶色。強い殺菌、抗菌力がある
・マングローブが群生している地帯・・・ブラジル産で赤色。強い抗酸化作用があり、希少価値が高い
はちみつ
はちみつは、採取した花の種類によって味や色が異なります。例
・れんげの花・・・薄い黄色でまろやかな風味がある
・マヌカの花・・・濃い褐色で独特の香りとコクがある
値段の違い
プロポリス
プロポリスは、セイヨウミツバチの巣からしか採取できない上に採取できる量が少なく、希少価値が高いです。そのため、はちみつに比べると値段も高く、100グラム当たり6000円くらいから高価なものは、15000円以上するものもあります。
はちみつ
はちみつは、産地や質により値段の幅がありますが、ミツバチの巣から採取でき、採取量も多いのでプロポリスに比べると安価です。安いものは100グラム250円くらいからあり、高いものでも100グラム当たり2000円くらいです。