「プロポリスの様々な抽出方法」
プロポリスには、さまざまな抽出方法があり、それによって含まれている成分が異なります。ここでは、プロポリスの抽出方法やそのメリット、デメリットについて説明します。
プロポリスとは?
プロポリスは、セイヨウミツバチがつぼみや新芽から樹脂を採取し、腹から分泌される蝋(ロウ)分や唾液、花粉と混ぜてつくった物質です。プロポリスは、巣から採取された時は、茶色い塊でそのままでは摂取できません。
巣から採取されたプロポリスの塊(源塊)は、その後、成分を抽出して使用します。
プロポリスの抽出方法
プロポリスの抽出方法はいろいろありますが、主な抽出方法は次の5つです。アルコール抽出法
アルコール抽出法は、プロポリスの抽出方法の中で一番ポピュラーな方法です。プロポリスは、80%がロウや樹脂なので、脂溶性(脂に溶けやすく、水に溶けにくい性質)です。
アルコール抽出法は、その中に含まれている有用成分を取り出すために、源塊をプロポリスが溶けやすいアルコール(食用でエチルアルコール、エタノールともいいます)に入れてかき混ぜ、一定期間をかけて抽出する方法です。
〇メリット
・殺菌作用があるので、賞味期限が長い
・有用成分を多く抽出できる
〇デメリット
・においや刺激が強い
・ヤニが多く含まれる
・製品によってはアルコールの成分が残っている
・アミノ酸や酵素がほとんど抽出できない
水抽出法
水抽出法は、アルコールを使用せずに、源塊を水に入れてかき混ぜて一定期間かけて抽出する方法です。水の中には雑菌が含まれているので、繁殖を防ぐために活性水(磁気により磁化された水)を使用する、50度以下を保つ、減菌フィルターを使用するなどの工夫が各メーカーによって行われています。
〇メリット
・においや刺激が少なく、摂取しやすい
・アミノ酸、ミネラル、有機酸を多く抽出できる
〇デメリット
・有用成分が溶けにくく、特に、フラボノイド、有機エステル酸はほとんど抽出できない
ミセル化抽出法
ミセル化抽出法は、アルコールで抽出した後に、グリセリン(乳化剤:本来混ざり合わないものを混ざりやすくする効果がある)や界面活性剤(性質を変化させる物質)を使用して水に溶けやすくして抽出する方法です。〇メリット
・グリセリンに甘みがあり、においや味がマイルドなので摂取しやすい
・アルコール抽出法だけでは抽出できない成分も抽出できる
〇デメリット
・身体に不必要なグリセリンや界面活性剤を同時に摂取してしまう
超臨界抽出法
超臨界抽出法は、プロポリスの源塊を溶かして入れた槽に、二酸化炭素を送り、温度と圧力を臨界点を超えた状態(液体でも気体でもない中間の状態)になるように調整して抽出する方法です。二酸化炭素は、圧力を臨界点を超えた状態にすると、ガスになって揮発するのでプロポリスの成分だけを抽出できます。
〇メリット
・低温で抽出できる・・・二酸化炭素は低温で臨界状態になるので、熱に弱いプロポリスを低温で抽出できる
・酸化しにくい
・味やにおい、刺激がない
・不純物がほとんどない
・吸収率が高く、即効性がある
・他の抽出方法では抽出しにくい成分を多く抽出できる・・・テルペノイド(シシオネールやリモネンなど:リラックス効果、血行促進効果がある)、ジテルペン(抗酸化作用がある)
〇デメリット
・他の抽出法に比べると高価
超高圧抽出法
超高圧抽出法は、プロポリスの源塊と水を2000気圧の超高圧で粉砕した後、フリーズドライ(熱を加えず、凍結させた後、真空中で水分を飛ばして乾燥させる方法)で水分を取り除いて抽出する方法です。〇メリット
・高気圧で加工するので、殺菌効果が高い
・プロポリスの有用成分が100%含まれる
〇デメリット
・この抽出方法を使用しているメーカーは1社なので選択肢がない